コラム : 尋常性白斑

皮膚科疾患

皮膚の色が部分的に抜けて白くなっていることで悩んでいる方がよく当院に来られます。このような症状を色素脱失症と総称します。色素脱失症の中には、小児の顔面に見られる白色粃糠疹(単純性粃糠疹、はたけ)や皮膚の炎症性疾患後に見られる炎症後白斑、老人性白斑など多くの疾患が含まれていますが、これらは正常皮膚との境界が比較的不明瞭なため気にされていない方が多いという特徴があります。一方、俗に「しろなまず」と呼ばれる尋常性白斑は、正常皮膚との境界が明瞭なため外観的に目立つので患者さんの精神的ストレス増大をきたしていることが多いのです。今回はこの尋常性白斑のお話です。

尋常性白斑の原因は自己免疫説をはじめとしていろいろな説があるものの今なお完全には解明されていません。水虫円形脱毛症 と並んで、皮膚科の三大難治性疾患の一つと言われることもあります。それだけにいくつもの皮膚科を受診した経験を持つ患者さんが多い疾患です。治りにくい病気ではありますが、多くの治療法が報告されています。

塩化カルプロニウムや副腎皮質ステロイド剤の外用療法、血流促進作用や免疫機能増強作用を持つセファランチンの内服療法が第一選択とされてきましたが、十分な効果が得られないことが多いのが現実です。患者さんの御希望に応じて白斑を隠す目的での肌色着色料「ダドレス」やファンデーションの延長である「カバーマーク」の紹介もさせて頂きます。

光線療法が大変有効なケースもありますが、周りの正常皮膚が日焼けを起こしてかえってコントラストがついて目立ってしまうケースもあります。最近では従来の光線療法に比べて311nm波長のNarrow Band UVBの有効性が高いとの報告があります。2012年1月、梅田皮膚科では、より一層効果が高いといわれている新しいタイプのターゲット型光線療法であるエキシマライト療法を開始しました。ただし、当院がエキシマライト療法が適切でないと判断した患者さんについては、患者さんが希望された場合でも、エキシマライト治療をお断りする場合があります。詳しくはこちらのコラムを御参照ください。 ⇒ エキシマライト療法

また患者さんの中には、自家吸引水泡蓋移植術などの外科療法がよい適応となるケースもあります。難治性白斑に対しては、しっかり治療適応を見定めた上で設備条件が整った 専門医療機関 に御紹介させて頂きます。

さてこの「しろなまず(尋常性白斑)」に対して「くろなまず」という病気もあります。この「くろなまず」は 癜風 と呼ばれる真菌感染症で、尋常性白斑とは治療が全く異なってきます。褐色斑として見えることが多いのですが、白色斑として見えることもあるのです。くろなまずなのに白いだなんて、とてもややこしいと思われるかもしれませんが、直接鏡検という簡単な検査で鑑別診断できます。皮膚科専門医の診断を受けることが肝要です。