コラム : 癜風

皮膚科疾患

汗かきの方の背中や胸に細かい鱗屑がくっついた褐色斑が見られることがあります。この病気は癜風(でんぷう)といって、マラセチア・ファーファー(Malassezia furfur)という真菌の感染症なのです。

癜風は我が国では一般的には「黒ナマズ」という俗称で呼ばれています。癜風の英名は“pityriasis versicolor”または“tinea versicolor”というのですが、“versicolor”は「雑色の」という意味です。実はこの癜風、白色斑として観察されることもあるのです。皆さんが色でこの病気を見分けるのは難しいのです。

直接鏡検といって、皮疹の表面を軽くこすり取って診察室の顕微鏡ですぐに確認することによって診断することができます。時間も手間もかからない検査ですので、気になる方は皮膚科専門医を受診するようにしてください。

白ナマズ(尋常性白斑)は治りにくい病気なのですが、黒ナマズ(癜風)の方は基本的に治療に対する反応のよい病気です。大半の癜風は抗真菌剤の外用(塗り薬)で治癒しますが、広範囲で外用が難しい例や再発を繰り返す例も見られ、このような場合は抗真菌剤であるイトラコナゾールの内服(飲み薬)治療を行います。

問題は、治療を開始するまでの罹患期間が長いと、治ったあとの色素沈着、色素脱失などの色素異常が長期間残ってしまうことがあり、これに対する有効な治療法はありません。早めの皮膚科受診が肝要です。