ホームコラム : 「いぼとり地蔵」をご存知ですか?

皮膚科疾患 うつる病気


「いぼとり地蔵」をご存知ですか?日本全国にいぼとりの神様や仏様はたくさん存在します。皆さんのお近くにもきっとあると思います。今回は、俗称「イボ」、医学用語では「疣贅」についてのコラムです。

いぼの仲間である、尋常性疣贅、青年性扁平疣贅、尖圭コンジローマ、ミルメシア、などの病気は、ヒト乳頭腫ウイルスの感染によって起こります。いぼは、水いぼほど他人にうつりやすいということはないのですが、自分自身の皮膚には、目に見えないような小さなキズから簡単にうつります。

これだけ医学が発達した現代でも、このありふれた病気「いぼ」の治療として神仏が頼りにされるのは理由があるのです。治療の第一選択は液体窒素療法なのですが、それだけでは治療がうまくいかなかったり、治療に長期間を要する場合があります。他にも種々の治療法があるのですがエビデンス(※)に乏しいのが現状です。しかしながら、いぼで困っている患者さんを目の前にしてエビデンスがないからとは言っておれませんので、全国の皮膚科専門医がいろいろ知恵をしぼっているというのが現在のいぼ治療の状況なのです。

皮膚科の教科書には、尋常性疣贅の治療の項に「暗示療法」が載っていると聞くとびっくりされる方もいるのではないでしょうか?免疫力を高めるという点において心理的な影響が非常に大きいのです。よく知られている漢方薬のヨクイニンもこの免疫賦活作用を高めるという機序で用いられています。

※evidence:証拠

参考文献:江川清文、足底の尋常性疣贅:凍結療法が無効なときにどう治療する?、すぐに役立つ外来皮膚病診療のコツ(全日本病院出版会)、106-112,2005
石地尚興、液体窒素治療が無効な尋常性疣贅、日常皮膚診療における私の工夫、268-272,2007

いぼとり 神様・仏様:平松皮膚科医院