コラム : 乾癬~なぜこんなに患者さんの治療満足度が低いのでしょう?

皮膚科疾患 かゆみ

尋常性乾癬は肘、膝、腰周りなど擦れる部位に、正常皮膚との境界が明瞭な少し盛り上がった赤い皮疹が出現する病気です。表面には白っぽく乾燥した厚いかさぶた(鱗屑)が付いていることもあります。頭部も毛髪が伸びるときに皮膚が擦れるため好発部位になります。

乾癬は悪化と軽快を繰り返す慢性疾患であり、原因はまだはっきりとはわかっていませんが、様々なバラエティに富んだ治療法が知られており、そのほとんどの保険適応が認められています。我が国では第二次世界大戦後特に増加が著しい(※)皮膚病のひとつであり、現在、皮膚科を受診する総患者数の2~3%占めるといわれています。皮膚科医からすると見慣れた疾患といえます。にもかかわらず乾癬の治療に満足している患者さんは25%程度であるという報告があります。なぜこのようなことが起こるのでしょう?

乾癬の原因は不明ですが、うつる病気ではないことははっきりしています。また、いくつかの増悪因子もわかっています。しかし、私が初めて診察させて頂く乾癬の患者さんから、「食生活を含めた日常生活上の指導を受けたことがないです」という言葉を耳にすることがとても多いのです。他の医療機関で「乾癬」と診断を受け長年治療を受けておられるにもかかわらずです。

乾癬の患者さん一人一人の症状は異なりますし、また同じ患者さんでも症状が変化することもあります。 慢性疾患の性質上、長期戦になることも多く、できるだけ副作用が少なく、より効果的な治療法を選択していく必要があります。すなわち同じ治療法を長期続けていると副作用、効果の点で問題が生じることがあり、何種類かの治療をある一定期間ずつローテーションさせていく治療法も推奨されています。25%程度と報告された治療満足度は、現在かかっている医療機関においては日常生活上の指導も含めてオーダーメイドのベストと考えられる治療がなされていないことを示していると私は考えます。

私の出身医局である大阪大学医学部皮膚科学教室は我が国の乾癬治療を常にリードしております。しかしながら、乾癬専門外来のある医療機関は北大阪に偏在する傾向があります。堺市をはじめとする南大阪には、オーダーメイドの乾癬治療を提供している皮膚科専門医が少ないように思います。当院では、食生活を含めた日常生活上の指導からきめの細かいオーダーメイドの治療まで、乾癬の患者さんのトータルサポートを行ってまいります。

※日本において第二次世界大戦後、乾癬の増加が著しい理由として「食生活の欧米化」が挙げられています。

2012年1月、梅田皮膚科では、新しいタイプのターゲット型光線療法であるエキシマライト療法を開始しました。ただし、当院がエキシマライト療法が適切でないと判断した患者さんについては、患者さんが希望された場合でも、エキシマライト治療をお断りする場合があります。詳しくはこちらのコラムを御参照ください。 ⇒ エキシマライト療法