コラム : 秋から保湿
こんにちは、大黒奈津子です。
皮膚科の診察内容は、小さな疑問から中には重大な病気まで様々です。
日常の小さな疑問にも丁寧にお答えしたいと思います。
診察に来てくださった皆様が来てよかったと思ってもらえるよう心がけています。
今月から不定期でコラムをお届けしたいと思います。診察中のふとした疑問や最新の治療など様々取り上げていきますね。
10月と言えば普通秋ですが、上旬は結構昼間は暑かったですね。ただ湿度(しつど)はかなり下がってきています。空気が乾燥すると皮膚も乾燥してきます。たまに診察の時に「皮膚が乾燥していますね、乾燥性の湿疹です」とお伝えすると、「コレステロールが高いのに油分をもっととったほうがいいんですか?」と質問されることがあります。
皮膚の乾燥とは皮膚の一番表面の角層の水分量が減ることです。その水分が減らないように保護しているのが皮脂という油分になります。皮脂は生まれつきの肌質と発汗量などに左右されます。残念ながら血液中コレステロールや中性脂肪値が高くても皮脂がたくさん出るというわけではありませんので、油っぽいものの食べすぎにはご注意ください。
またお風呂でゴシゴシ洗いすぎると皮脂は減ってしまいます。中年以降の方だとすねや腕 などは毎日洗うと乾燥しすぎるので毎日石鹸で洗う必要はありません。お湯で流すぐらいで十分です。石鹸で洗っていないのに乾燥するという方はお風呂上りに保湿剤を塗るのがおすすめです。乾燥症状が軽い方は市販のものでも問題ありません。秋はぬるめのお風呂にゆっくり浸かって、しっかり保湿して本格的な冬に備えましょう。
※すねの写真は60代知人女性のものです。許可を頂いた上で掲載しております。
※夕焼けの写真は、2017年9月に訪れた香川県の父母ヶ浜(ちちぶがはま)で私が撮影したものです。日本でウユニ塩湖のような写真が撮れると話題の場所です。
2017年10月11日記載:皮膚科医師 大黒奈津子